消化管領域

消化管領域

消化管腫瘍の診断・治療について

上部消化管(食道・胃・十二指腸)・下部消化管(大腸・小腸)の腫瘍・早期がんに対する診療を、消化管グループとして行っています。日本消化器内視鏡学会および日本消化器病学会の指導医、専門医である常勤のスタッフ医師3名、医員5名を中心に、年間で約10,000件の上部消化管内視鏡検査(食道・胃・十二指腸)、約4,800件の下部消化管内視鏡検査(大腸)を行うと同時に、年間約200件の早期癌に対する内視鏡的切除術を行っています。
当院、または近隣の病院で早期に見つかった癌・腫瘍について、

食道表在癌に対する内視鏡治療

飲酒や喫煙との関連が強い食道癌は、早期発見により内視鏡的に治癒が期待できます。NBI(Narrow Band Imaging)内視鏡システムという画像強調観察で、より早期の段階で癌の発見が可能になりました。また、重複しやすいとされる咽頭癌・喉頭癌についても、同様に早期に発見されることにより、侵襲の少ない治療が選択可能となっています。食道表在癌に対する内視鏡治療は、病変の大きさ等によっては手術室で全身麻酔下に行う場合もあります。

以下に、食道表在癌の内視鏡治療の動画をお示しします。

早期胃癌に対する内視鏡治療

日本人、アジア人に特に多いとされる胃癌は、早期であれば内視鏡治療により癌を切除し、胃壁を残すことによって治療後の胃機能を温存でき、治療前とほぼ変らない食生活を保つ事が可能です。早期胃癌はヘリコバクター・ピロリ菌の関与が大きいとされ、一次除菌から三次除菌まで当院でも対応しておりますので、除菌治療に関心のある方は、お気軽にご相談ください。

以下に、早期胃癌の内視鏡治療の動画をお示しします。

早期大腸癌・大腸腫瘍に対する内視鏡治療

食生活の欧米化により増加傾向にある大腸癌も、早期発見により内視鏡治療が可能です。2012年4月よりESDが保険適用になり、当院でも早期大腸癌・大腸腫瘍に対する治療に取り組んでおります。また、大腸癌の前癌段階とされる大腸ポリープの切除と経過観察も行っております。心臓や脳・血管の病気のため抗血栓薬を内服している方、腎疾患のため透析を受けている方や血液疾患のある方についても、外来・入院にて積極的に加療を行っておりますので、お気軽にご相談ください。

以下に、早期大腸癌・大腸腫瘍の内視鏡治療の動画をお示しします。

当院のESD症例

2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
食道 2 6 26 14 26 27 26
36 56 102 125 151 103 96
十二指腸 1 1 2 4 3 5 4
大腸 4 17 36 52 82 84 94
43 80 166 195 262 219 220

消化管ステント留置術について

当院では悪性消化管狭窄(食道、胃・十二指腸、大腸)に対しステント留置術を施行しております。

悪性消化管狭窄とは

進行した癌による消化管狭窄の事を意味します。食道では飲み込みが困難となります。胃・十二指腸であれば食事が摂取できない状態であり、嘔吐などの症状を呈します。大腸であれば大腸閉塞となり嘔吐や持続する強い腹痛などを呈する事となります。

ステント治療とは

筒状の金属の構造物を狭窄部位に留置してくることを指します。これにより、狭窄部位は拡張され食物の通過が可能となります。特に緊急の大腸閉塞の場合、人工肛門を作る緊急手術に代わり大腸ステントを留置することにより、食事を摂取しながら待機的に根治手術を行うことも可能となっております

手技成功の確率と合併症

ほぼ100%の確率で成功しております。ただし、穿孔・出血・ステントの逸脱などの合併症の報告もあります。

当院の現状

全国的にも有数な救急病院という背景もあり、積極的なステント治療を行っております。

ヘリコバクター・ピロリ除菌について

ヘリコバクター・ピロリ菌が発見されて以来、上部消化管疾患の概念や診療状況が大きく変化しています。2013年2月に「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎に対する除菌治療」が保険適応になったことで、より広い患者層での除菌治療が可能となり、胃や十二指腸の病気の多くを抑制できる可能性が高くなってきました。当院では内視鏡でヘリコバクター・ピロリ感染胃炎と診断された方に対して、その診断から除菌治療および除菌に成功しているか否かの判定を行い、除菌後の適切なフォローアップの提案を行っております。

また、近隣の医療機関と共同で三次除菌治療の臨床研究を行っており、二次除菌が不成功であった方に関しても積極的に除菌治療を行っております。他院で二次除菌が不成功であった方でも参加可能ですので、ご希望の際は当院消化器病センター外来をご予約ください。