柳澤先生病理カンファレンス

2016.12.16[ 勉強会 ]

柳澤先生病理カンファレンス

当院では月1回、元京都府立医科大学臨床病理学教室教授・現京都第一赤十字病院病理診断科特別顧問の柳澤昭夫先生をお招きして病理カンファを行っています。

柳澤先生は消化管部長:江頭先生の病理の師匠であり,そのご縁があって当院へ来て頂き,毎回白熱した議論が繰り広げられております。

今回も病理・臨床側合わせて15症例前後の白熱したdiscussionが行なわれました。
全部はご紹介できないので私が提示した一例をご紹介します。

前庭部大弯の20mm弱の白色調0-Ⅱa病変でESDを施行した症例です。

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術前診断としては病変は柔らかく,酢酸撒布をしても表面構造がしっかりと確認でき,分化型早期胃癌(深達度M)の診断でESD導入となりました。

しかし,病理結果としては先進部にmucを有しly1のSM1の診断となりました。

この症例でどうして術前診断を誤ったか,病理上なぜこのような形態を呈するかと白熱した議論が繰り広げられました。

やはりmucがSM浸潤した場合は病変は柔らかいためあまり粘膜下腫瘍様の形態は呈さず,伸展刺激でも容易に変形するため注意が必要であると感じました。

 

当院では忙しいながらもこの様に一例一例の積み重ねを大切にして日々の診療を行っています。

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