木村かれん先生による原著論文が、このたび DEN Open よりオンライン出版されました。
“Endoscopic Hemostasis for Gastrointestinal Stromal Tumor Hemorrhage: A Case Series and Retrospective Analysis of Risk Factors”
(GISTによる消化管出血に対する内視鏡的止血の症例集積および危険因子の後ろ向き解析)
概要:本研究では、上部消化管GISTに起因する出血に対して内視鏡的止血を施行し、救急手術を回避できた5症例を報告するとともに、出血リスク因子の探索的解析を行いました。止血手技としては高張食塩水アドレナリン注射およびクリッピングが用いられ、いずれの症例も24時間以内の緊急手術を回避し、計画手術へと移行できた点が特徴です。さらに、潰瘍形成、白血球数上昇、BMIの高さが出血のリスク因子として挙げられました。
臨床的意義:GISTは出血性の腫瘍でありながら、内視鏡的止血の有用性についての報告は限られていました。本研究は、出血点が明瞭な場合において内視鏡的止血が緊急手術回避に貢献する可能性を示し、今後の急性期GIST管理の選択肢として重要な知見を提供しています。
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